膝関節過伸展の影響

   

 

【膝過伸展の状態が及ぼす影響について】

立位での長時間の膝過伸展や歩行中に繰り返される過伸展は、ACLや膝関節後方の軟部組織(後方関節包や弓状膝窩靭帯、斜膝窩靭帯など)への伸張ストレスだけでなく、膝蓋下脂肪体のような前方の構造への圧縮ストレスも生みます。

膝後方組織

※後方関節包、黄色:斜膝窩靱帯、青色:弓状膝窩靱帯

膝蓋下脂肪体はご存知の通り、屈曲時に大腿骨と膝蓋骨の裏に滑り込みますが、伸展時にはスルスルと膝蓋骨に引っ張られ、膝蓋腱下に出てきます。

解剖写真

※前方の黄色の部分が膝蓋下脂肪体

 

関節に挟まらないように出てきます。

アメーバみたいにスルスルっと。

ところが、痛みのある症例では、繊維化し、動きが鈍く、触ってもジャガイモみたいに固くなっています。

結果、伸展時に逃げ遅れて挟まるんですね。

これは「Anterior Knee Pain Syndrome(膝前方痛症候群)」の中に含まれて呼ばれたりしますが、膝蓋下脂肪体炎の方は結構いるんですね。

膝OAの方でも見られます。

ちなみに、ある女子サッカー選手を対象とした研究において、膝過伸展アライメントを呈すると、ACL損傷のリスクが5倍に跳ね上がるとありました。

ACL

※右膝

 

膝過伸展の状態は、膝関節の位置覚が低下しているため、最終域での伸展を制御する能力が減少している可能性があるというデータもあります。

つまり、自分で過伸展していることが分からないんですね。

ニュートラルの状態も過伸展の状態も。

 

まとめ

膝過伸展は、膝の後方組織の伸張だけでなく、前方組織の圧縮ストレスも生む

ACL損傷リスクが5倍になる可能性がある

本人の認識がまずは必要

 

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