呼吸中枢と二酸化炭素分圧

      2018/07/04

私達が普段何気なく行っている呼吸。

吸ったり吐いたり何も考えずに行っていますが、一体どういったメカニズムで行われているのでしょうか。

この記事では、身体の中でどういった信号が発されて呼吸が起こるのかをお伝えしていきます。

まずは呼吸ってなに?というこれまでに復習を兼ねて、呼吸の4つのステップの確認からです。

 

 

呼吸の4つのステップ

呼吸は以下の4つのステップを経て行われています。

 

  1.  喚起…空気が気管を通り、常に肺から出入りします
  2.  外呼吸…ガス交換(酸素の供給と二酸化炭素の排出)が肺内の血管と肺胞の間で行われます
  3.  ガスの運搬…酸素と二酸化炭素が血流にのって肺から各組織へ、あるいは組織から肺へと運搬されます
  4.  内呼吸…各組織の毛細血管にて、血液と組織細胞内でガス交換が行われます

 

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1892より引用しております

 

簡潔に言うと、酸素を取り入れて、二酸化炭素を吐き出す行為ということになります。

では、この呼吸は身体のどこでコントロールされているのでしょうか?

それは、延髄(えんずい)です。

 

https://twitter.com/sokuwan/status/947683485635854336より引用しております

 

延髄とは、脳幹の一部で、最も下位に存在しています。

延髄には呼吸中枢があり、吸気や呼気を促していることから、「呼吸の本部」と考えることが出来ます。

呼吸中枢には、背側呼吸ニューロン群と腹側呼吸ニューロン群があり、それぞれ吸気、呼気に関与しています。

 

背側呼吸ニューロン群:吸気活動を促し横隔神経を介して横隔膜の活動を担う

腹側呼吸ニューロン群:呼気を促し、迷走神経や舌咽神経にも関与する

 

また、延髄の上にある橋(きょう)には呼吸調節中枢があり、呼吸のリズムを修飾しています。

呼吸本部に指示・サポートをしているので、こちらの方がお偉いさんですね。

実際、橋は延髄の上にあります。上司が上にいると覚えましょう。

 

ちなみに、私達は、呼吸を普段無意識に行っていますが、呼吸を意図的に操ることも出来ますよね。例えば、息を30秒止めるとか、深呼吸するぞ!とか。意識的な動作であり、普段の呼吸とは異なります。

これは、大脳皮質と呼ばれるところでの制御ということになり、通常の無意識に行われる呼吸よりも更に強い影響を持っています。

よって、大脳皮質が最も高度であり、延髄よりも橋よりも「上司」であるといえます。

 

 

呼吸をモニタリング~化学受容器~

では、呼吸中枢は何を元に、呼吸のコントロールをしているのでしょうか?

呼吸は状況によって、さまざま変化します。

いつもいつも落ち着いた呼吸ばかりではありません。

走ったり、跳んだりしていると呼吸が荒くなったりします。

今は酸素が足りていません!とか、二酸化炭素が増えすぎていますよ!とか、何らかの情報がなければコントロールの仕様がありません。

つまり、そういったデータをモニタリングする機構が必要であるということです。

それが中枢性化学受容野末梢性化学受容器です。

 

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1894より引用しております

 

 

中枢性化学受容野(器)

中枢性化学受容野は延髄にあり、主に脳脊髄液中の二酸化炭素(PaCO2)をモニタリングしています。

通常、PaCo2の上昇の刺激に対して呼吸をコントロールしていると言われています。

ちなみに、受容としている理由は、明確な境界を持つ構造ではなく、延髄腹側野に散在性に感受性細胞が分布しているためです。

 

http://www.lab2.toho-u.ac.jp/med/physi1/respi/respi10/respi10.htmlより引用しております

 

 

末梢性化学受容器

末梢性化学受容器は上図にあるように、頸動脈小体、大動脈小体にて酸素(PO2)をモニタリングしています。

頸動脈は、肺から出たての酸素を豊富に含んだ血管で、脳へ向かいます。

重要な脳に、十分な酸素が送られているのかをモニタリングしています。

主に、PO2の減少に強く反応します。(PaCO2にも弱く反応)

大動脈小体は、役割が小さいと言われています。

通常、何らかの疾患がない限り、この動脈に酸素が不足することはありません。

http://www.lab2.toho-u.ac.jp/med/physi1/respi/respi10/respi10.htmlより引用しております

 

 

その他、呼吸に情報を送る受容器

咳受容器や肺伸展受容器(Heming-Breuer反射)などがあり、呼吸中枢に情報を送っています。

Heming-Breuer反射:肺がある閾値を超えて伸展(膨らむ)されると、それ以上拡張しないように吸気を抑止して呼気を促す防衛反射。

 

呼吸とPaCo2

呼吸はどのくらいの回数、どの程度の量を行えばよいのでしょうか。

呼吸の回数や1回の換気量などを見ていきましょう!

 

呼吸数:12~18回/分 (頻呼吸:24回以上/分 徐呼吸:12回未満/分)
換気量:450~500ml/分
PaO2(動脈血酸素分圧):90~100torr
PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧):35~45torr
SaO2(酸素飽和度):95~99%
血液Ph:7.35~7.45

 

上記の表の中にある、PaO2は動脈血酸素分圧といい、血漿中に気圧としてどのくらい含まれているかを表しています。

PaCO2は二酸化炭素をみています。

PaCo2を先程の中枢性化学受容器がモニタリングしているということになります。

実際には、PaCO2が上昇すると、延髄の呼気中枢が興奮し、呼気を促します。

反対に、PaCO2が低下すると、延髄の吸気中枢が興奮し、吸気を促します。

このように呼気と吸気が起こるようになっています。

 

pHに関して言及すると、二酸化炭素が血中に増えた場合、酸性に傾きます。

そのpHもモニタリングの材料になっており、酸性に傾いた場合は、二酸化炭素を吐き出す仕組みになっています。

 

そんな普段なにげなく吐き出している二酸化炭素には、実に身体に有益な効果があります。

そちらは次回のブログでお伝えしましょう。

 

 

まとめ

呼吸中枢が延髄にあり、吸気や呼気を促している

橋には呼吸調節中枢があり、呼吸のリズムを修飾している

中枢性化学受容器は、脳脊髄液、血液中の二酸化炭素分圧をモニタリングしており、変化が起きるとすかさず反応し換気を促す

 

 

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