【トレーナー必見!!】呼吸指導において知らないとマズイ「二酸化炭素」について知ろう!

      2018/07/05

これまでの呼吸シリーズ記事↓

呼吸の基礎~横隔膜と腹腔内圧~

横隔膜を機能させるために知っておくべきこと

呼吸中枢と二酸化炭素分圧

 

二酸化炭素と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。

口から出ていくもの?植物が吸収するもの?あるいは、炭酸水?

なんとなく人間にとっての二酸化炭素は不必要なものに思うのではないでしょうか。

呼吸によって吐き出されるものだから、あまり役に立っていなさそうな。

しかし、二酸化炭素は身体の中で大活躍をしており、私達が生きていく上で欠かせないものなのです。

 

今回は、トレーナーが呼吸指導において、知っておかなければならない、知っておくべきものである二酸化炭素に着目していきましょう。

 

 

呼吸によって排出される二酸化炭素

私達が生きていく上で呼吸を行いますが、これを端的に説明すると、「酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出す行為」と言えます。(大気の大半は窒素なのでそれらも体内へ流入しますが)

 

では、二酸化炭素は身体の中でどのように生成されているのでしょう。

二酸化炭素は酸素を利用したエネルギー生成システムの代謝物として発生します。

 

少し余談になりますが、、、ヒトが生きていく上で、エネルギーの生成が必要不可欠です。

ATP(アデノシン三リン酸)という物質がADP(アデノシン二リン酸)に加水分解される過程でエネルギーを放出することで細胞活動を維持しています。

この時、分解されたADPをATPに戻す(再合成)必要がありますが、その際、糖や脂肪などを利用します。

 

その再合成の方法として、ヒトは3つの再合成システムを持っています。

  1. クレアチンリン酸を利用する「ATP-Pcr系」
  2. 糖を利用する「解糖系」
  3. 酸素、脂肪を利用する「有酸素系」

です。

こちらのエネルギーシステムについては、また今度記載しましょう。

 

話を戻して、、

最後に挙げた有酸素系の最終代謝物として、二酸化炭素が生成されます。

そして、この有酸素系は、比較的運動強度が低い、あるいは長時間の運動の際にメイン機構として利用されます。

こうしてあなたが記事を読んでくださっている時、隣の女性がスタバのパンを3つほど食べているのを横目にしながら僕が文字をカタカタと打っている時のような、のんびりしている際にもこの有酸素系が殆どを占めています。

つまり、寝ても覚めても二酸化炭素は生成されてまっせ。ということです。

そうして出来た二酸化炭素は排出されますが、ただの邪魔者ではありません。

 

 

酸素の運搬、血管拡張

二酸化炭素は主に2つの大きな役割があります。

  1. 酸素の運搬
  2. 血管と気道の拡張

 

酸素の運搬

 

二酸化炭素が酸素の運搬?と思いますよね。

酸素とヘモグロビンの関係性からみていくと理解出来ます。

酸素はやや血液に溶けにくい(液体に溶けにくい)性質を持っており、98.5%はヘモグロビンに結合した状態で血液中(結合酸素)にあります。(残り1.5%は、血液に溶けるので溶解酸素という)

ヘモグロビンと結合した状態の酸素(以下、オキシヘモグロビン)は、血管内を移動することが可能となり、細胞まで到達することが出来ます。

しかし、このままの状態では、肝心の細胞に入り込むことが出来ません。

簡単に例えると、ヘモグロビンというタクシーに乗って、血管という道路を進み目的地に着いたものの、下車出来ずに通り過ぎてしまう。ということです。

 

酸素を細胞へ放出するには、ヘモグロビンと分離する必要があるのです。

この役割を担っているのが二酸化炭素※です。

血液中の二酸化炭素が適量あることで、酸素とヘモグロビンは切り離され細胞へ届くことになります。

 

※オキシヘモグロビンは、酸素が少ない状態、二酸化炭素が多い状態、pHが低い状態、体温が高い状態で酸素を放出する。毛細血管は、肺近くの血管に比べ酸素が乏しく二酸化炭素が多いエリアであり、もともと環境としては酸素を放出しやすい。
こちらについては、次回。

 

現代人にありがちなこととして呼吸過多がありますが、その場合、二酸化炭素が過剰に体外へ排出されてしまいます。

そうなると、酸素を細胞へ届けられる量が減ります。

結果、酸素はたくさん肺へ取り入れているが、細胞には届いていない(=酸欠!)状態となり、脳は酸素が足りないと感じ、もっと息を吸わなきゃ!と感じることでさらに呼吸が大きくなる、、という悪循環へ入ります。

 

 

酸素の利用率

酸素利用の目安として、動静脈酸素較差(どうじょうみゃくさんそこうさ)というものがありますが、動脈中の酸素と静脈中の酸素にどのくらい差があるかというもので、この差が少ないということは酸素を細胞に届けられていないということになります。

※http://www.igakunotomo.com/shinsikan/07.htmlから引用しております

 

正常な安静時呼吸において、体内へ取り入れた酸素のうち、75%は吐き出されます。(25%利用)

これは、ヘモグロビンと酸素の結合数によります。

化学の授業で、原子には手があり手と手を繋ぐことで分子になると習ったのを覚えているでしょうか。

例えば、「水H2Oは水素2つと酸素1つであり、酸素の手が2つあるので水素が2つ繋げますよ」というものです。

 

ヘモグロビンは手が4つあり、酸素を4つ抱えることが出来ます。

※https://nursepress.jp/2484から引用しております

 

つまり4人乗車可能のタクシーですね。

安静時では、そのうちの1人を下車させ、残りの3人は体外へ吐き出されるということです。

また、激しい運動時においては75%を利用し、のこり25%を吐き出しています。

 

ちなみに、正常であれば体内において酸素は95~99%の飽和状態になっている(酸素飽和度という=オキシヘモグロビン)ので、それ以上過剰に酸素を取り入れようと、息を吸っても意味はありません。(高山など酸素が薄いところでは酸素ボンベやカプセルは有効です)

これは、ほぼ全てのオキシヘモグロビンの手が既に酸素と繋がれており、それ以上の酸素が入ってきてもただただ溶解酸素が微々たる量で増えるだけ。また、実際それ以上の酸素量は日常生活レベルの活動では必要がありません。

 

 

血管・気道の拡張

血管・気道を広げる役割があります。

鼻が詰まって、口呼吸をずっとしていると頭がボーっとすることはないですか?

これは口呼吸により体外へ過剰に二酸化炭素が排出され、血液中の二酸化炭素が低下することで脳への血流が低下しているからです。

疲労感や頭がうまく働かないという状態を引き起こします。

 

他に、一酸化窒素も血管の拡張作用があり、鼻呼吸が重要になります。

一酸化窒素は鼻腔、副鼻腔、血管の内膜の内皮細胞で産生されます。

一酸化窒素は血管平滑筋という中膜を形成している筋肉を緩め血管を広げる働きをします。

※http://kouketsuatsu-naosu.com/ketkanwakagaeru-yasai/から引用しております

 

 

まとめ

二酸化炭素は、酸素の運搬、血管・気道の拡張作用がある

二酸化炭素は、ヘモグロビンと酸素の結合を解く

呼吸過多は、二酸化炭素を過剰に吐き出してしまい、酸素とヘモグロビンが離れにくくなる

酸素4つとヘモグロビン1つが結合しオキシヘモグロビンとなり、安静時は25%が細胞で利用されている

酸素飽和度は95~99%であり、過剰に酸素を取り入れようとしても利用率は変わらない

 

 

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