シンスプリントと近位部

      2017/10/07

アスリートやスポーツ愛好家に見られる傷害のひとつにシンスプリントがあります。

 

後脛骨筋が付着する脛骨後内側縁1/3に放散痛や不快感を伴うものとして認知されています。

 

実際には、後脛骨筋、長拇指屈筋、長指屈筋に伸張ストレスが繰り返し加わることで発生します。

シンスプリントを引き起こしやすい足として過回内足が挙げられますが、後足部回外、中足部での代償回内パターンでより頻発しやすいと考えられます。

 

 

ICとシンスプリント

 

IC(イニシャルコンタクト)時に体重負荷は踵骨に伝わります。

 

その際、踵骨の内側を通る負荷は踵骨の外反を誘導し、衝撃吸収を行います。

 

踵骨外反はショパール関節にも作用し、いわゆる”柔らかい足”を実現します。(=衝撃吸収)

 

その後、ヒールロッカーを機能させる事でそれ以降のスムーズな歩行が可能になります。

 

 

このような正しい動きができていれば良いのですが、後足部内反をしていると踵骨外反になることが出来ず、衝撃吸収能が低下します。

 

繰り返しの接地によりストレスが下腿に加わり、シンスプリントを発症します。

 

 

寄り道 ~3つのロッカーファンクション~

 

ヒトは、生物の中で唯一、疲れることなく歩き続けることが出来ると言われています。

 

それは、足部にある3つの「ロッカーファンクション」によるおかげです。

 

ヒールロッカー

アンクルロッカー

フォアフットロッカー

 

 

以上3つのロッカーファンクションがあります。

 

 

ロッカーファンクションは、歩行をより効率的に行うために欠かすことの出来ない機能です。

 

イメージとしては、ロッキングチェア(ハイジなどで、老人が掛けている椅子)が分かりですね。

 

 

転がるように働くことで、前方への推進力を受動的に産んでいます。

 

 

シンスプリントは右足に多い?

 

実はシンスプリントは右足に多く見られるというデータもあります。

 

つまり、右脚の衝撃吸収能が低下しやすいと言い換えることも出来ます。

 

では、なぜ右足に多く見られるのでしょうか?

 

 

1つは、横隔膜の影響です。

 

横隔膜は、左右に分けて考えることが出来ますが、左よりも右側のほうが面積が大きく厚みがあり、それは3倍近くとされています。

 

 

 

そのため、右側の横隔膜の機能が優位となり、呼吸を繰り返すたびに、横隔膜の付着部の1つである脚部を右側へ引っ張るため、右荷重になりやすいと言われています。

 

 

もうひとつは、脳の影響です。

 

右脳左脳では、左脳の活動が優位になります。

 

右半身の活動には左脳が司っていますので、この脳からの影響で右半身の活動優位になることも影響していると考えられます。

 

 

下腿外旋を生む

 

上記2つの影響で骨盤は右に回旋しやすくなります。

 

右に回旋した骨盤のままでは真っ直ぐに歩くことが出来ないため、両脚を正面に向けようとします。

 

つまり、左股関節は外旋位、右股関節は内旋位となります。

 

内旋位となった股関節はそのまま代償がない場合もありますが、下腿を外旋にするという代償が見られることもあります。

 

下腿外旋位になると、距骨下関節(=後足部)は回外位となり、IC時に回内位へ移ることが遅れ、衝撃吸収能が低下するというメカニズムを辿ります。

 

 

僕は以前、膝OAの方を多くみていましたが、肌感覚的にも右下腿外旋+変形という方が圧倒的に多かった記憶があります。

 

当時は原因が分かりませんでしたが、おそらく前述した要因が影響していると考えています。

 

(そういえば、僕も右下腿外旋症候群、左正常です)

 

 

シンスプリント発症者の特徴

 

シンスプリント発症者を調べた研究(伊藤浩充 2006)にて、膝屈曲位での背屈可動域が優位に低下していたとあります。

 

膝伸展位では、コントロール群との差はなかったとのことです。

 

本来、膝屈曲位で脛骨が前に倒れることで(=背屈)、衝撃吸収が働きますがその機能も低下しているということです。

 

また、脛骨が前方に倒れないということは、後方に衝撃が集まるということにもなります。

 

着地時に「ドンッ!」とくるストレスに対し、脛骨内で最も細いレベルの後内側部へ負荷が集中することも発症に影響していると考えられます。

 

 

 

まとめ

 

シンスプリントの予防・改善には、「結果」の部分である下腿へのケアも必要ですが、「原因」に対してアプローチをする必要があります。

 

原因は、前述してきたようなものですので、足部へのアプローチだけでなく、近位部へのアプローチも必要です。

 

 

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