腰痛って腰だけの問題?

   

「80%の人が一生に一度は腰痛を経験する」
 
そのように言われるほど、腰痛はヒトに課せられた宿命であると言えます。
 
腰痛は期間的な区分けで、ぎっくり腰などの「急性」のものと、何ヶ月も何年も腰が痛いという「慢性」との2つがあります。
 
多くの方を悩ませているのが、慢性腰痛です。
 
 
 
「長く腰痛と付き合っている」という方を、これまでの十数年のトレーナー活動の中で多くみてきました。
 
そして、私自身、腰痛改善において頭を悩ませてきました。
 
それは、同様の機序に思える腰痛も同じ対処で改善しきれないという事案に出会うからです。
 
近年、腰痛の研究は進んでおり、機械的なストレスが引き起こしているのではないということが明白になっています。(腰痛に限らず)
 
そこで、本記事では腰痛に関する情報をお伝えしようと思います。
 
 
 
 
腰痛を3つの側面からみていくことが改善において重要です。
 
  1. 情動的側面
  2. 認知的側面
  3. 社会的側面
 
 

情動的側面

そもそも痛みは、脳で作られています。
 
 
腰が痛くとも、脳でそれを感じ取れなければ「痛み」ではありません。
 
これはとても重要な事実です。
 
腰が痛い場合、腰の関節、筋肉などのセンサーから(背骨を経由して)脳へ向けて、痛みの情報を伝達しようとします。
 
 
このとき、そのまま痛みの情報が脳へ行くわけではありません。
 
脳から痛みを緩和する働きが起こり、背骨で腰からの痛み情報を制御します。
 
この働きには、「ドーパミン」と呼ばれるホルモンの活性が必要です。※ドーパミンは、快の感情、意欲、学習に関与する
 
慢性腰痛者ではこの働きが不十分であるとされています。
 
痛みを緩和することなく、ダイレクトに痛みと付き合っているということです。
 
 
この場合、ドーパミンを促すことが重要です。
 
方法の1つとしては、「目標を設定してそれに向けて活動をする」といった行動を取ることがドーパミンを促すので、お勧めとなります。
 
つまり、意欲的に生活しましょう!ということですね。
 
小さなことでもいいので、それを達成していくという行為が大切です。
 
 
 

認知的側面

脳の中には身体に関する地図があります。
 
 
 
ちょうど脳天のあたり、頭頂葉という部分がそれに当たります。
 
一次体性感覚野にあるホムンクルスというやつが代表的です。
 
この地図が鮮明で正確なほど、自分の身体を正しく認識でき、動かすことにも繋がります。
 
もちろん正しい姿勢とも関連。
 
この実際の身体と脳内地図がズレればズレるほど痛みを感じやすいということが分かっています。
 
この地図の不鮮明、縮小化は、不動によって起こります。
 
 
例えば、腰痛になると、痛みが出て庇った動きになりますよね?
 
腰を反るのが痛ければ、反ることを避けます。そうすると動かさない範囲が出現します。
 
「不使用」ともいいますが、センサーが鈍くなり、脳への情報が乏しくなります。
 
動かしていなかった範囲へ運動などで刺激を加えることで痛みを改善することが出来ます。
 
つまり、慢性腰痛の場合は、どんどん運動しましょう!ということです。
 
 
 

社会的側面

面白い実験があります。
 
コンピュータ上でキャッチボールをしています。
 
ボールが自分に回ってくる場合(輪に加われている時)と、ボールが回ってこない場合を用意します。
 
後者では、社会的排斥感を与えられることで、脳のある部分が活動し痛みを捉えやすくなったとされています。
 
 
 
また、温熱刺激を加えている際に、恋人の顔写真を見るだけで主観的痛みが低下したり、別の実験では、既婚女性が夫に手を握られる
ことで痛みに関する脳領域の活動が軽減するというものもあります。
 
社会的ストレスを感じている者ほど、痛みに対する閾値が低いことも明らかになっており、社会的関係性を保つということが重要であると言えます。
 
心と体は密接に繋がっていると言えます。
 
痛みがあると何かと億劫になってしまいますが、周囲が円滑な関係性を構築するサポートをすることが大切です。
 
 
 

腰痛のまとめ

腰痛は単なる腰の痛みではありません。

様々な要素が絡みあい、痛みをつくっています。

意外なことで、腰痛が改善することも少なくありません。

現在腰痛を抱えている方は、ぜひこの3つの側面から振り返ってみてくださいね。

 

最後に、、

ヒトが健康(身体的、精神的、社会的)でいるためには、リアルな関係性がやはり重要です。

便利な世界だからこそ、自分の身体でどこかへ行き、人に会い、体験することで、多くの刺激を得ることが大切です。

それがあなたの健康をこれからも守ります。

皆様の健康の一助になれば幸いです。

 

 

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