スクリューホームムーブメントについて

機能解剖

前回の記事で、膝のロックを解除する筋として、「膝窩筋」をお伝えしました。

膝関節の「鍵」である〇〇筋の働き
【膝関節の「鍵」である〇〇筋の働き】 さて、丸に入る言葉は何でしょう? ここでいう鍵とは、キー=特別重要という意味での鍵ではありません。 いや、重要なのでしょうか笑 と、ここまで言うと察しの良い方はもうお分かりですね...

そして、膝のロックって?

というところで出てきたキーワードが「スクリューホームムーブメント」でしたね。

 

復習になりますが、膝は伸展中に脛骨外旋が起こり、カチッとロックがかかるようになっています。

このことで、筋力に頼ることなく膝を伸ばせ、ヒトは長時間楽に立っていられます。

そして、本記事ではこのロックが起こるメカニズムをお話していきます。

 

 

スクリューホームムーブメントを起こす3つの要因

まず、膝関節のロッキングには、約5~10度の外旋が必要です。

膝関節に外旋が起き始めるのは、最終伸展30度であると言われています。

これを、終末伸展回旋(運動)スクリューホームムーブメント、または、スクリューホームローテーションといいます。(これは、生理学的な動きではあるが個人差が大きい)

 

このスクリューホームムーブメントは、3つの力学的な因子によって生じるとされています。

  1. 大腿骨内側顆の形状
  2. ACL(前十字靭帯)の緊張
  3. 大腿四頭筋の外側への牽引

以上の3つです。

 

SHM2

※筋骨格系のキネシオロジーから引用

 

このなかで最も大きい要因は、①大腿骨内側顆の形状です。

大腿骨内側顆の関節面は、外側顆より長く大きいので、回旋なく真っ直ぐに伸びたのでは、内側だけが伸びきらななくなります。

そのため、脛骨を外旋させることで、寄り道して距離を稼いでいます。

これにより、内側顆の形状自体が脛骨の外旋を促すように出来ています。

SHM
大腿骨関節面 内側上顆

※右ひざの大腿骨の関節面を、下から見ています。(右側が内側、左側が外側です)

 

写真のように、顆間溝に近づくに連れて内側顆関節面が外側にカーブ(傾斜)しています。(顆間溝は、まん中のへこみ部分)

この形に添って、脛骨は外旋していきます。

(この説明は大腿骨上の脛骨の伸展時。脛骨上の大腿骨伸展時は大腿骨がこの軌道とは反対に動く)

結果的に、ねじれが生じることで、膝が骨性に安定した状態となっているのです。

 

これらのおかげで、3時間くらいのライブでも、膝が楽に伸ばして、立ちっぱなしでいれるわけですね。

人間の身体はよく考えられてできていますね。

ありがたい仕組みです。

 

 

まとめ

3つの因子により、スクリューホームムーブメントは起き、膝関節の安定に一役買っている

骨形成上の理由で、最終伸展30度位から5~10度のスクリューホームムーブメントが起こる

ただし、個人によってばらつきがある

 

この記事を書いた人
鈴木 孝佳

アスレティックトレーナー兼プロダクトマネジャー。
自他ともに認める健康オタク(最近、生命線が手首を突き抜けている事に気づいた)
音楽が好き。(ギター、ドラム、カラオケを嗜む)
休日には、東京の美味しいものを探しに。

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