膝過伸展

機能解剖

【膝過伸展について】

膝過伸展についてお伝えします。

写真で見るとこのような感じです。

膝過伸展

普通は大腿骨から脛骨まで真っ直ぐですが、脛骨が後方に彎曲しているように見えます。

定義としては、「膝関節の伸展が5度以上」で、膝関節過伸展あるいは反張膝とされます。

一般的に、小さい子供から若い成人に多いとされています。

あとは、女性に多くみられます。

理由としては、筋パフォーマンスが低いことや関節の弛緩性が考えられます。

 

膝過度伸展の原因

①ハムストリングスの過剰な働きと大腿四頭筋、大臀筋のパフォーマンス低下

②靭帯の弛緩にともなう後方関節包の伸張など

が挙げられます。

 

①ハムストリングスの過剰な働きと大腿四頭筋、大臀筋のパフォーマンス低下

ハムストリングスは膝後方についていますが、むしろ短縮位になっており、過伸展を強める働きをすると考えられます。

足を地面についた状態でハムストリングスを収縮させると、(付着部が脛骨内側顆、腓骨頭であるため)下腿上部を後方に引くことになります。(膝伸展作用)

逆に、大腿四頭筋は脛骨を前方に引くことになります。

また、過伸展の側の股関節伸展動作をみると、たいていハムストリングスが主動筋として働いています。

大臀筋が遅れて収縮するか、うまく収縮できずふにゃふにゃであったりもします。

股関節伸展の理想は大臀筋+ハムストリングスです。

(腹臥位の股関節伸展チェックでは、大殿筋の収縮の直後にハムストリングスが入るか、またはほぼ同時とされています)

ちなみに、膝過伸展において、腓腹筋も短縮や硬化を認めることがありますが、ハムストリングスほど、そう!ということもありません。

 

②靭帯の弛緩にともなう後方関節包の伸張など

こちらに関しては、膝過伸展になったから、②が起こるのか、②があるから膝過伸展を引き起こすのかどちらもありえます。

膝関節の伸展は、骨の構造で制限されていないので、膝関節の後方の軟部組織が、主な抑止力として働きます。

膝は伸展位では、スクリューホームムーブメントによってロックがされており、筋の活動なしに保持することができます。このスクリューホームムーブメントを起こす要因のうちの一つが「ACL」でした。

SHM2

ACLは、膝の過伸展を防ぐ役割もあります。

つまり、膝過伸展が定着している状態は、ACLが弛緩している状態であり、後方の関節包は引き伸ばされ、緩んでしまいます。

姿勢の観点から

姿勢でみると、スウェイバック姿勢の人は過伸展傾向にあります。

見方によっては、膝過伸展があるからこそ、骨盤が前方にスウェイするしかなくなっているとも考えられます。

また、膝過伸展は、距腿関節の背屈制限によっても引き起こされます。

距腿関節が背屈できない状態で立位になると、下腿が後方に倒れます。(つまり過伸展方向)

下腿が後方に倒れることで、身体を通る重心線は膝関節のやや前方を通ることとなります。(通常は膝の中央を通る)

そのことでも、さらに膝が過伸展する方向へと重力が働きます。

またこれを止めるためには、通常働かなくて良い、ヒラメ筋の活動も必要となり下腿の過緊張にも繋がる可能性があります。

これら近隣関節も捉える必要があります。

 

まとめ

膝関節過伸展の原因は、①ハムストリングスが優位に働き、大腿四頭筋と大臀筋のパフォーマンスが低下と②靭帯の弛緩にともなう後方関節包の伸張などである

この記事を書いた人
鈴木 孝佳

アスレティックトレーナー兼プロダクトマネジャー。
自他ともに認める健康オタク(最近、生命線が手首を突き抜けている事に気づいた)
音楽が好き。(ギター、ドラム、カラオケを嗜む)
休日には、東京の美味しいものを探しに。

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